ヨモジジ(freaks ver.)

本と雑貨と音楽と、街歩きが好きなオッサン。1981年生まれの珈琲難民が好き放題に語る。レビューのためのブログ。

「宅配がなくなる日」著:松岡真宏

今、かなり荒波にもまれている小売、流通業界についての分析だ。
サービスにおいての同時性を排することで
宅配の形が変わるということを言っているが、
正味なところ「同時性」という言葉の定義は甘い。
「時間価値」も何を指しているかはだいぶ恣意的になっていると思う。

最終的に配送されるモノと受け取る人は同時にある。
同時でないのは「サーブする」という動詞である。
動詞と名詞の時勢が一致しなくともヒトとヒト、ヒトとモノが出会うことが肝である。

それはどのように解消されるかと言えば、
動詞のアーカイブ化と、需要側からのアクティブな
マッチング行動をサポートする技術だ。

ここまでは本書と僕の意見は現象の分析として大差はないけれど
終章にいたって、妙なところに希望を持たせようとする
コンサルさんみたいな話ぶりになってしまう。
っていうか、動くビジネスパーソン以外の生き方にも価値を持たせられるのが
動詞のアーカイブ化だと思うし、結びつけて価値を高めるのは
実は消費者側の嗜みとして新たな領野を拓いていくのだと思います。

とはいえ、実地で経済を見ている人らしく実例はしっかりとしていて
アマゾンゴーの画期性を今更知ることもできて有意義でした。

宅配がなくなる日 同時性解消の社会論

宅配がなくなる日 同時性解消の社会論

カラオケボックスは、カラオケを歌う場所ではなくなった。(中略)
今後は、時間と空間をこまぎれにして他者とシェアリングすることが生産性を引き上げる時代であり、それが結果として消費者の時間価値を引き上げることとなる。(p.138)

カラオケは確かにそのように扱ってる時もあるなと思えば
カーシェアリングでも同じ事態が起こっているらしい。

こうした営業マンのお悩みの解消として、カーシェアリングが使われ始めている。自分の現在地はスマホですぐに確認できるし、そこから最も近いタイムズカープラスの拠点を検索して、30分車を借りることができる。もちろん、スマホでの予約が可能である。現在の価格設定は15分で206円なので、30分借りて412円払ったとしても、カフェ代よりも安いし、密室空間なので大声で電話をすることもできる。何より、他人がいないので静かに仕事ができる。

なるほどね。