「勝者のシステム」著:平尾誠二
ラグビーの日本代表の選手であり、監督であった人だが、
個人的に言えば僕の母校の数少ない事前イメージを伝えてくれた人だ。
僕が大学に入った時には特に強かったわけではないので
余計に「平尾誠二」という個人が際立って強かったのだろうと思う。
2016年に鬼籍に入られたところなので、追悼本などもその時に色々出たけど、
平尾の本でずっと気になってたのはこっちなので中古で入手。
この本のいいところは無理に
ビジネスに応用するためにはということを筆者がせずに
自分の具体的な事例をしっかりと描きだすことにしているのがいい。
パスの仕方を矯正するために腕のかたちを固定させる練習とか
そんなのは一般論では見えない風景であるし、
そこまでして、という必死さは初めてそこで腑に落ちる。
どうしてでも、勝ちたい。
プレイすること自体が喜びであるのは当たり前として、
その先にある勝利への渇望を読者に教えてくれる本である。
- 作者: 平尾誠二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/05/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
思い返せば、昨年までの7連覇の間も、いつも何かが足りずに勝ってきていた。勝ち続けてこられたことが不思議なことだったのだ。
それなのにこの敗北で、足りないことを数えて悔しがっている。それはつまり、足りなくても勝てるということが続いて、自分のなかに慢心があったのではないか。(p.23)
ぐ、ぐさり。