「武器としての会計思考力」著:矢部謙介
会計を専門にしてない人でも道具として使えるような
なかなかよいガイドだと思う。
語句の説明の丁寧さもさることながら
実際の財務諸表を業種ごとに見ながら
それが何を意味するのか、実践的に解説もしてくれる。
最終的にKPIへの落とし込みの話までしているので
事業に役立つ会計を意識している。
表題の「武器としての」というのに偽りはないだろう。
ただ、あえて言うとすると、
前半の分析パートと後半のKPI導入の流れで言えば
後半のほうでは運営指標の作成なんかは
まだ掘り下げてほしいという気持ちもある。
それ単体でべつの本になりそうなので、
まぁ、ここまでで十分なサービスとは思うけど。
武器としての会計思考力 会社の数字をどのように戦略に活用するか?
- 作者: 矢部謙介
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2017/10/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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オリエンタルランドは確かに高い利益を上げることができているのですが、その一方で、実際にパークに行ってみたときの経験も踏まえて考えると、パーク内が混みすぎて、顧客満足度が低下している可能性がありそうです。言ってみれば、オリエンタルランドは利益が「出すぎている」状態なのです。(p.89)
ほう、そういう見方もできるのね。
過剰なキャッシュを保有するということは、それだけ余分な資本コストを抱えていることを意味します。
「キャッシュはコスト」という考え方です。花王では、EVAを導入することで社内に資本コストの意識を浸透させ、余分なキャッシュや在庫を削減することの意味を明確化したのです。(p.192)
たしかにその通りなんだけど、
資本コストに対する利益率を検討できる企業というのはその前に
まぁまぁ健全でなくてはいけないよね。レベルにあった指標が大事。