「都市は人なり」著:Chim↑Pom
やってやった、という手応えだけがある。
面白い本だ。
美しさよりも、もひとつ前の、面白がることに彼らはフォーカスしてる。
人が集まりより多く面白がられるその煌めきが
美しくあるのかもしれず、そのようなものであれば
僕らの日常も十分に美しいのであるのだと、
遠回りに肯定するのはこの本でしか読まない読者の私だ。
現場で単純に面白がることができた人は幸運であったと思う。
また、歌舞伎町の中でどのように街と関わったかという記録は
コミュニティアートの1つの形のようにも見えるが
同程度の熱量が高円寺の道にはない。
要するにその為に作られたのではなくて、
歌舞伎町はたまたまそうしたほうが面白かったというだけの話で
それが重要なんだろうと思う。
都市は人なり 「Sukurappu ando Birudo プロジェクト」全記録
- 作者: Chim↑Pom(チン↑ポム)
- 出版社/メーカー: LIXIL出版
- 発売日: 2017/08/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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重要なのは、互いに「傷」がつくことだと思うんです。芸術祭の整理されたアートと音楽の関係とは違って、今回のような雑多な場所では、どうしても共存したものが部分的に台無しになる瞬間がある。(p.117)
文化的なポトラッチ。
そもそも文化とは捧げ物だろうから、ほとんど重言かもしれない。
溝が埋まるきっかけが面白くて、風林会館で、なぜか腕相撲大会をやることになった。そうしたら、筋肉自慢のホストたちに、Chim↑Pomの稲岡(求)くんが次々と勝っていった(笑)。それでホストたちも、「アートは高尚」みたいな認識が変わった感じがあって、「なかなかやるじゃん」と信頼してくれた。(p.119)
ありがちなエピソードのようで、
あまり現実世界では聞かない話のような気もする。
っていうか、ホストは地味に鍛えてそうだよね。