「サッカー監督はつらいよ」著:平野史
架空のクラブ監督に密着する形で
「サッカー監督」というお仕事がどういうものか教えてくれる本。
一応、時系列的なものは含まれているけど
小説仕立てとかではないので、そんなにセンセーショナルではない。
それでも単純に知らないことも多く、興味深く読めた。
最後はシンプルに歴代日本代表監督の素描みたいなのもあって、
サービスもいいんじゃないかな。(岡田監督まで)
ちなみに戦術の話はほとんどないからあしからず。
試合後の監督インタビューの表情が少し陰影つくようになるかも。
そんな感じの軽い読み口の本です。
- 作者: 平野史
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/06
- メディア: 文庫
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J氏は監督に誘ってくれた知人のGMに数日中に返事をするつもりだった。返事は先ほど決めた。引き受ける。OKだ。
むろん不安も不満もある。だが、自分に都合の良い完璧なクラブなどありえはしない。そんなことは当たり前のことだ。どこかで妥協はする。(p.20)
解説をしているJ氏への監督就任依頼から話は始まる。
J氏のクラブでは社長の座というのは栄転でも左遷でもない。サラリーマンとして最後の一仕事的な意味合いが強く、親会社に戻ってもしばらくすると定年退職を迎えるケースが多い。つまり「上がり」なのである。(p.147-148)
サッカークラブも浮世の渡世と変わらんところあるんやなという話も。