「ねじの回転」著:ヘンリー・ジェイムス 訳:蕗沢忠枝
ちょっとしたホラー小説というところなんだけれど、
まったくうまく噛み合わなかった。
その「恐ろしいもの」を直接に描かないことで恐怖を与えるという書き振りなのはわかる。
しかし、書かれていないものの恐怖はリアクションだけで伝わるかというとそうではない。
共有するべき常識が最後まで共有されなかったと感じる。
悪徳に誘惑されること、それ自体に恐怖感を与えるものがあったようだが
主人公が勝手にビビったり急に頑張ろうとしたりと忙しくしているだけのように見える。
僕のような不信心ものではなく
キリスト教者であれば恐れ慄いて読むことができるのだろう。
(それは信心深いのだろうか?)
別枠で、少年少女を美しく描くことはできているので
ロリ、ショタ好きにもアピールできると思う。
- 作者:ヘンリー・ジェイムズ
- 発売日: 1962/07/09
- メディア: 文庫
「先生に、ぼくのことを、ーー気分転換にーー“悪い子”だって思われたかったの!」
この言葉を言い放った時のマイルズの愛らしさと、うきうきした愉しい表情を、そしてまた、それにもまして、前かがみになって、わたしにキッスしたあの時の様子を、わたしはいつまでも、決して忘れることはできないだろう。(p.149)
おねショタ一丁あがり。