『1兆ドルコーチ』著:エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アランイーグル 訳:櫻井祐子
ビジネス書と評伝のあいのこのような本だ。
しかし、この書き方になったのは
このビルという「コーチ」が行動そのものよりも
人格に特徴があるということを意識してのことかもしれない。
それは余計に原理原則というような
無機質なものに抽出することもできただろうけれど
それでは伝わらないと思ったということだと思う。
シリコンバレーの名だたる創業者たちに
コーチをしながら渡り歩くなんていうのはどこか
古代中国に現れた賢者のようでもある。
ただ、ビルの表しかたはとても脂ぎっていて
いかにもアメリカンな感じだ。
アメフトのコーチだったという経歴もあるしね。
たぶん、このコーチの仕事は文化ごとに
違う表出のされ方があるはずだと思う。
いかにチームにフォーカスできるかの一つの実践例として読むのがいいだろう。
完全に余談だけれど、
アップル社のソフト、クラリスをめぐるごたごたは
ちょうど僕が一番熱心にMacfanとかを読んでた時だったので
当時を思い出して懐かしかった。
その辺の変遷もなかなかドラマティックで面白いと思う。
1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え
- 作者:エリック・シュミット,ジョナサン・ローゼンバーグ,アラン・イーグル
- 発売日: 2019/11/14
- メディア: 単行本
次の高みを目指す人たちにとって、個人的な目標を、チームを成功させるという目標と並行して、または優先して追求したい誘惑には相当なものがある。(中略)一方で、個人より集団の業績を優先する人たちのチームは、そうでないチームに比べ、一般にパフォーマンスが高い。したがって、そうした「ライバルたちからなるチーム」をコミュニティに変え、足並みをそろえて共通の目標に向かわせることが重要になる。(p.50-51)
主題になるのはこのあたりだろう。
ただ、コミュニティといってもビジネス上の課題を追求するコミュニティであることは
はっきりしていて、そこら辺のやり方が
間違いなく構成員の出身文化に影響されるだろう。