「求心力」著:平尾誠二
こちらの本はあまりオススメできない。
「勝者のシステム」のときにあくまで体験から帰納的に話をすすめていたのが
先に答えを持ったところから書いてしまっている。
そしてその答え合わせにこのような経験があった、というが
それは順番が逆なのだ。
ただ、集団のトップに立つ者として何に悩んで来たかは分かる。
トップの気持ちの一端を知るという意味合いでは読める本だ。
つまるところ、集団を動かしたいのに、
どうするのがより効果的に動かせるのかは
誰も確信を持ってできないってことだ。
権限があるゆえの悩みとは言え、使われる側としては
そこに何を乗せると互いのアウトプットが高まるか考えてもいいだろう。
- 作者: 平尾誠二
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2015/03/14
- メディア: 新書
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ラグビーにおいてはキャプテンという存在は、ほかのスポーツに較べると非常に重要とされる。その役割を、私はコミュニケーションの不安がある外国人に託したのである。(中略)
「果たして円滑なコミュニケーションが図れるのだろうか?」
しかし、それは杞憂に終わった。むしろチームの親密度は高まり、雰囲気もよくなったほどだった。
なぜかーー。ひとことで言えば、ほかの選手がマコーミックの言葉を真剣に聞こうとしたからである。(p.29)
結局はこれです。
話を聞くに値する相手かどうかが、
リーダーシップということでは最大の問題で、ほとんどそれで片がつく。
何故そう思われるに値するかは個別の状況があるけど、
同じ組織にいるから具体的な行動でしかない。