「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」著:新井紀子
シンギュラリティはこないけど、
全体的に2段階下くらいの水準で人類はAIに追いやられるという話。
どれくらい教科書が読めないのかというのは
割と衝撃的な数値が出ていますが、
ここの間違え方はAIと違うようにできている気がします。
相手の言いたいことをとらえようとする心の動きが強く出る時に
文章以上に間違えやすくなる。
大抵そういう人は小説が創作物であることを認めにくかったり
命題の形で書かれた一般的な言及を理解するのが苦手だろうと思います。
これはむしろAIの得意分野でしょうけど。
そういう点でAIが人間を完全にシミュレートすることはないでしょう。
正答率を上げる方向に作用しないと思うので。
ただ、逆方向はありそうな気もします。
人間がAIのインターフェースとして利用されながら
人間がAIにフィットしていく方向性です。
あんま嬉しくないけど、さてはてどうなることやら。
- 作者: 新井紀子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2018/02/02
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私たちにとっては、「中学生が身につけている程度の常識」であっても、それは莫大な量の常識であり、それをAIやロボットに教えることは、とてつもなく難しいことなのです。(p.98)
ここで僕が感じたのは生身があるということのポテンシャルと
親など、日常的に接する一定の人物がいる小さな社会の存在ですね。
AIはまだまだ孤独なのですが、これがそうでなくなるなら人間に近づくように思います。
まぁ、人間に近づける必要はそんなにないのだけど。