「物質をめぐる冒険」著:竹内薫
入門書というよりは、概説書という感じ。
幅広く最先端の概略を教えてくれるし、おおまかな
トレンドというものも見せてくれる。
ただこういうのって、
文系的ストーリーとしてたまたま見えているものもあるので
普通に研究する人にとっては予断になりそうな見方だなぁとも。
一般的な読み物としてはこれくらいでいいけど
きっと実際のところはこういう読み物は
なので定期的アップデートが欠かせないはず。
そういう意味では永遠の門外漢としては
ざっくりした憶測も含めて読んでおくのは
逆説的に悪くはない。
物質をめぐる冒険 万有引力からホーキングまで (NHKブックス)
- 作者: 竹内薫
- 出版社/メーカー: NHK出版
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そもそも物理学と数学で「厳密に計算できる」場合は、意外と少ない。(p.59)
これは不可能を言っているというよりは、
誤差を把握しながら実用上は概ね対応してきたということなんだろうと思う。
不確定性原理のおかげで原子はぺしゃんこにならない。
言いかえると、ふつうのモノが潰れないで存在する理由は、量子がもっている不確実性にまでさかのぼって理解することができるのだ。(p.115)