ヨモジジ(freaks ver.)

本と雑貨と音楽と、街歩きが好きなオッサン。1981年生まれの珈琲難民が好き放題に語る。レビューのためのブログ。

『「税務判例」を読もう!』著:木山泰嗣

ビジネスの世界が色々と変われば
それにつれて法律も変わり、判例も新しいものが増えていきます。
一応、いざという時に備えて、斜め読みくらいできたらなと思ってトライ。

パターンと法的思考の原則を教えてくれる本として仕上がっています。
初学者でも分かるように丁寧に用語解説をしてくれます。
実務家が隙間を縫って、
判例を読めるようになる最低限の知識道具一式はこれで揃います。多分。

ただ、帯に「具体的な判例」を通じて、とあるのに偽りはないのですが、
その具体性の掘り下げとかを期待してはいけません。
釣りの仕方は教えるけど、魚の味は問題にしてないので。
(魚拓程度の解説はついてますが)

そういうわけで、ちょっと味気ないっちゃ味気ない。
ま、実用かつ勉強用の本なので、そこを期待するのは贅沢ですが。

「税務判例」を読もう! ―判決文から身につくプロの法律文章読解力

「税務判例」を読もう! ―判決文から身につくプロの法律文章読解力

裁判所はあくまで判決主文を導くために直接必要な理由についてのみ検討すればよい、と考えられているのです。このことはシンプルでありますが、きわめて重要な考え方です。(p.52)

その重要なポイントが「争点」としてまとめられていると。

判決書を読むときにも、どこまでが「法解釈」であり、どこからが「事実認定」なのかをハッキリと意識する必要があるのです。
結論を出す際には、「大前提」(法解釈によって導かれた法規範)に「小前提」(事実認定によって導かれた事実)を「あてはめる」という作業が行われます。

日常的にも意識したらいいと思うけども、
判例の中では必ず意識してそう書かれているということですね。