「会社法入門」著:神田秀樹
会社法というのは商法から派生して現れた
比較的新しい法律のようだ。
これは会社というものの存在感の増大に加えて
株式市場の整備という側面がある。
本書は入門ということなので、
法人という概念の説明から丁寧にやってくれている。
なので、会社法の必然性というのは良くわかるのだが
後半の組織再編のあたりはだいぶ複雑でわかりにくかった。
これは僕の知識不足もあるだろうけど、なんというか
毎年改正を繰り返しながら変更するという中で、
逐次的な対応が煩雑さを生んでるところもあるんじゃなかろうかと思ったり。
まぁ、経営側の人間にでもならないと
こんなことは視界に入ってこないかもしれない。
ただ、経済的な活動のフィールドをこのような形で
立法が整備しているという事実はきちんと覚えておく必要がある。
そう、企業の前向きな活動も国会で用意されたものが活用されている。
- 作者: 神田秀樹
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2015/07/23
- メディア: 新書
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会社法は、それまでと比べると、設計の自由は拡大したが、それでも多くの介入をしている。その理由を端的に言えば、株主を保護するためであるが、第1章で述べたように、株式会社の特徴を最大限発揮するためには、法がある程度介入しなければならないというのが歴史の教えるところだということである。(p.50)
株主は会社のために訴えを提起するので、判決の効果は、勝訴・敗訴ともに、会社に及ぶ。代表訴訟の結果、勝訴した場合でも原告株主は会社への給付を要求できるだけであって、自分には一円も要求できない。(p.99)
株主代表訴訟について。なるほどなー。
まぁ、直接自分には入らないけど、
会社の利益に還元されたらそれを分配される権利自体はあるのだよね。