ヨモジジ(freaks ver.)

本と雑貨と音楽と、街歩きが好きなオッサン。1981年生まれの珈琲難民が好き放題に語る。レビューのためのブログ。

「シン・物流革命」著:鈴木邦成功、中村康久

物流はBtoB、BtoCどちらでもその重要さ、
存在感のあるテーマになってると思うので読んでみた。

IOTの浸透によってタグやセンサーが有効活用され、
倉庫の中がそれ自体で考えるシステムとして再構築されているという話は
非常に興味深い。

また、ロジスティクスドローンなどの話や、シェアリングサービスなど
物流分野の関わる広さは見える。が、全体的に過渡期の状況の中で
まだまだこうした設備やシステムの変更は実証段階であるものが多く、
それゆえに具体例としての踏み込みはもう少し読みたかった。

まぁ、シン・エヴァのパクリ装丁をやっとるのですから
普通に新しい話ではなくて、現状のリメイクを実験的にアプローチする
ということは示唆されとったんかな。

自動化はひとつのテーマだが、
AIの前にRPAをあげ、その導入についてのリスクやハードルについて触れられている。

①現場の不信感・経営陣の無理解(中略)
②システム停止の際のサポート体制の充実(中略)
③自動化による作業のブラックボックス化(中略)
④継続的な手順ミスの発生(中略)
クラウドなどからの情報漏洩・流出(中略)
(p.80~81)

こういうところはどの業界でも同じような課題としてあるだろう。
同時にこれらもひとつのビジネス領域となるんだろうか。

我が国でもロジスティクスドローンによる配送が本格的に検討されている。たとえば内閣府国家戦略特区に千葉市を指定し、「千葉市ドローン宅配等分科会」がドローン宅配の実用化のフレームワークを検討している。(p.105)

お、日本でも具体的に進めているのだね。

ちなみに千葉市幕張新都心地区が東京湾に近接し、臨海部に物流センターが集約しているのに加えて、電線が地中に埋められているということがドローン宅配を行う上での好条件の立地となっている。(p.105)

電線は確かにネックになりそうだ。一律に導入するにはハードルが高いね。
新しいテクノロジーを広く導入する時は、街の形自体もそれに合わせて変化する必要がある。
しかし、投資をおこなって整備するまでの間にさらなる新技術や需給の変化などの影響がないとも限らない。
難しいところである。