『鬼速PDCA』著:冨田和成
PDCAをきっちりやるには継続性とテンポが両立しないといけない。
継続できなければ、フィードバックのないやりっ放しになるし、
テンポが遅すぎれば、チェック機能があっても手遅れ状態からしかできない。
本書はその2つの点をきっちり抑えて
どのように整備していけばPDCAを具体的に回せるかを教えている。
いつの時点で読んでもそれなりに役立つと思うけれど、
できれば就職前に読んでいた方がいい。
なんなら、大学受験前くらいでもいい。
本当にやりたいことを書き出してからの
PDCAへの落とし込みなんてのは
薄ぼんやりとした雰囲気で大学を選んでた
自分には読ませてもよかっただろうなと思う。
(別に大学に不満があったわけではないが)
もっともPDCAの前の時点で自分自身のしたいことに気づくというのは
簡単なようで、意外に難しいので、そこはゆっくりやったらいいんじゃないかと思う。
日頃の仕事をチャキチャキPDCAで流しながら、ね。
こうした思いはPDCAサイクルにおいては検証の対象とならないし、よく見かけるPDCAサイクルの図にもまったく反映されない。
しかし、実際にPDCAを回すときにこうした思いは、それを回し続けるモチベーションの源になる。だから定性的だからと言ってわざわざ切り捨てる必要はない。(p.68-69)
ツールを紹介する時に限界について確認されているのは、誠実もしくは、良心的であることを示していると思う。
検証フェーズに入ったときは仮説に自信がある人ほど謙虚に、自分を疑ってかかることが重要だ。
さもなくば、他の可能性が視界から消えてしまう。(p.200)
この辺も落とし穴について書いている。少し大袈裟すぎるタイトルではあるが、
その実、どちらかというと細やかな配慮をする人間が書いたのではないかと思う。