ヨモジジ(freaks ver.)

本と雑貨と音楽と、街歩きが好きなオッサン。1981年生まれの珈琲難民が好き放題に語る。レビューのためのブログ。

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「声と現象」著:ジャック・デリダ

さすがにしんどいので寝かせながら読んでた。フッサールをデリダが読み解くという体ではあるものの、 それは解くのではなく、 フッサールの紡いだ糸をさらに編み込んで行くような身振りでもある。現象学的な振る舞いに基づいて還元しながらも 不可分な二重性…

「寿歌」作:北村想、演出:宮城聰

初演1979年の作品の再演である。 何を今更という感覚はあるかもしれないが、 シェイクスピアをやれるのなら大した問題でもないか。20年以上前になるが、中学校くらいに 北村想のプロジェクト・ナビをよく観に行っていた。大げさではったりの効いたチープさや…

「『その日暮らし』の人類学」著:小川さやか

アフリカから中国への出稼ぎ市場というものがあるとは知らなかった。 文化人類学者としてどっぷり入り込みながらの フィールドワークレポートである。資本主義は流動性を求めていくものだが、 その極限的な姿の一つとしてこの本のキーワード「その日暮らし」…

「消費大陸アジア」著:川端基夫

アジアと言っても様々な国がありそれぞれに流行り廃りがある。 本書はアジア各国へ進出した企業の成功と失敗の事例を見ながら それをどのように捉えるかという視点を提供してくれる。内容としては悪くないんだが、 少々、アカデミズム内の術語についての解説…

「異邦の香り」著:野崎歓

これ、ネットレビューとしてはどうかと思いますが、 装丁がとてもよろしくてですね、開く前から乳香の香りがするような作りなんですよ。 (嗅いだことないけど)土煙と甘やかさを感じさせる象牙色の表紙に金箔押しの優美な英字、 端正なタイトル、ついで(失…

「パロール・ドネ」著:クロード・レヴィ=ストロース、訳:中沢新一

構造主義の発展を支えた人類学者の講義録である。ここにある内容は正直に言って僕には専門的すぎて もう少し周辺テキストを読まなければ理解をしきるのは難しかった。しかし、それは言葉を弄するといった類のものではない。 どれも具体的な物事に結びついた…