ヨモジジ(freaks ver.)

本と雑貨と音楽と、街歩きが好きなオッサン。1981年生まれの珈琲難民が好き放題に語る。レビューのためのブログ。

2016-01-01から1年間の記事一覧

「小山昇の失敗は蜜の味 デキる社長の失敗術」小山昇

意外とよい本でした。 失敗は恐れてはいけないなどと言いますが、そのもう一歩先の話。失敗してもいい会社、 組織をどうやって作るかということに主眼がある。 実際上司が失敗したっていいと言ってきたって 誰も失敗をしたい人間なんていない。 それにそもそ…

「独学ではじめる税理士試験 合格法バイブル」会計人コース編集部

それなりに色々載ってるんだけど、 雑誌的編集のままコラムしかない感じで はっきり言って本を作るセンスがないと思います。ないよりはマシですが、 税理士ってどうなの?って人が読んでもふにゃっ?となりそう。 やる!と決めた人ならつまみ食いでも使える…

「ポケモンの神話学」中沢新一(角川新書)

中沢新一といえば中学校くらいで虹の理論を読んで こういうモノを書いて見たいと思わせつつも、 あまりにも胡散臭すぎて直視するのが恥ずかしいそんな作家であった。今回もポケモンの神話学ということで 胡散臭さは満載ではありますが、 率直に言って氏がポ…

瀧口範子『行動主義 レム・コールハースドキュメント」

ほとんど分裂症気味に動き回るコールハースは 「錯乱するニューヨーク」で自身が描いたように 錯乱を生きているかのようだ。隈研吾もそうだったが、 現代の建築家とはそのような生き物なのだろう。しかし、ドキュメントと書いてあるが ジャーナリスティック…

The Look of Love

もしくは恋の面影 スタンダードナンバーだと思うけど もともとの展開が美しいだけでなくて解釈の幅が広い。というわけで同名曲だけで12曲選んで見ました。 15時以降から23時くらいまでの曲だと思います。Dozen Look of Love個人的には最後の2曲が捨てがたい…

「エストニア紀行」梨木香歩

旅には目的地を楽しむことと 旅のフィーリングを楽しむこと、大きく2つある。 本書は後者の気分が色濃く出ている。だから観光案内を期待して読むと 少し肩すかし感があるとは思う。 ただ、できるだけ誠実に旅行者として そこにある土地の目線に寄り添おうと…

7月のプレイリスト

こっちにも残さないと流れるんで、そろそろやっておきましょう。選挙のアレがうるさくなりますので部屋では静かにしたいかもしれませんが 今月はダンスミュージック、クラブノリという感じです。https://itunes.apple.com/jp/playlist/7yuepm10-00-qing-tian…

読了レビュー「マルチチュード(上)」アントニオ・ネグリ マイケル・ハート

民主主義と自由、これが彼らの信じるほどよいものかは微妙だが、 世界の道行きに関してはだいぶ正確に見通してると思える。 荒唐無稽な理論などではなくて、様々な現象をむしろ帰納的に整理して見せたのだ。で中身は?と聞かれるならば、 グローバルと生権力…

6月のプレイリストを作ってみました。

どこに需要があるかと言えば、私に需要があるプレイリスト。今月は作り方を変えて、 普段聞きながらイメージに合いそうで、気に入ったのを ガンガン突っ込んで行きました。そいで、最後に少し削ると、 とりあえず、お耳汚しですが、下のリンクからどうぞ。PM…

読了レビュー「日本恋愛思想史」小谷野 敦著

相変わらずの本である。 小谷野節と言えば聞こえはいいが、 ぬめりとした嫌みがそこかしこにある、 というか本人はあまり嫌みとは思ってないからこうなんだろうけれども、 まぁ、しかしこれも芸のうち。ひたすらに積み重ねられた文学の数々は 全体としてはと…

素直に大地震と言えばいいではないか

この金額は大きい方をとっても東日本大震災の3.7分の1、阪神大震災の2.2分の1ということになる。東京新聞:熊本地震被害は最大4.6兆円 生産停止など損失1270億円:経済(TOKYO Web) https://t.co/FnU3bqTJmj— 水野 哲 (@mizutetsu1981) 2016年5月24日内…

非常事態宣言の前に考えておきたい自衛隊のこと

いろいろありすぎてもう忘れたかもしれないが、イラクへ物資輸送をしていた航空自衛隊が武器を携行する米兵も輸送していたことが昨年発覚した。その米兵はたぶんイラクで活躍したのであろう。つまり後方支援なんてもう勝手にやってわけだ。政府はそれを知っ…

浜辺の狂人とシルクロードのトートバッグ

ニートもたまにはお散歩をします。本日は京都、室町を歩くことにしまして、ここいらは 織物問屋があった場所なんですが、ちょうどいま産業が 形態変化を遂げているようであって、反物屋が風呂敷の小売をしたり、 あるいは抜けたところに、良さげな雑貨、レス…

読了レビュー「飛田で生きる」著:杉坂 圭介

中の人の、それも使用者側からのエッセイというだけで ちょっと希少価値はある。中身はそんなにセンセーショナルではないし、 目を引くところはなかった。 しかしそれは率直な記述であろうと 著者が配慮した結果ではあるだろう。特にこの手の事業を立ち上げ…

「文明の十字路」著:岩村 忍

これを読んでさらに分からなくなりました。(笑中央アジアの歴史の変遷というものは本当に激しく、 ヨーロッパや中国などの比ではない。地元の勢力はあるものの、 それより強大な帝国が時期ごとに東西南北すべての方向から波のように押し寄せてくる。 これで…

本屋に行った備忘録

先日、久しぶりに本屋にじっくり居座りました。 買うほど、読む本がないわけでもないので、 ひたすらタイトルと装丁をチェックして 少しペラペラという不審な人間でありました。その中で、いくつか面白そうなのを備忘録として ピックアップしておきます。亡…

読了レビュー「世界最強の女帝 メルケルの謎」佐藤伸行 著

著者も告白するように核心には迫れていないけれども、バイアスで見逃している事実を教えてくれもする、凡庸であるが不誠実でもない本だ。 メルケルの政治の原理をとらえるのが困難であった代わりに読者に差し出されたものとして、特徴的なのは2つほどある。 …

5月のためのプレイリスト、解説。

Apple Musicのせいで、物理的にCDをプレイヤーに突っ込むことが ついに面倒になってしまいました。 いや、CDで持っててApple Musicにない曲も多数あるんですけど、 正直、音楽はニュアンスなんで、似たものを探すことにむしろ 楽しみを覚えてしまいます。さ…

「第七官界彷徨」尾崎翠

正直に言いますと、 もっとわけの分からんものを想像してたので、 ちょっと肩透かしでした。だって、第七官界という言葉が意味わからんし 気になるじゃないですか。 でも、ほとんど触れない。 それはむしろ大モチーフとしてどの場面でも それがあるんですよ…

「無為の共同体」J=L・ナンシー

最後に訳者がかなり丁寧に取り出してくれるように、 共同体を全体性に回収せず、共同性のまま思考する論考だ。 それは共同性の限界を探る試みである。少し前に読んだデリダの「死を与える」にも接するような部分があり、 それは限界の典型としての死であり、…

おそるべき少女たち

今週のジャンプ、「鬼滅の刃」は レトロな見せ場の作り方込みで好みです。 ジャンプには珍しくオシャレさんです。 (大体あの辺の作家はすぐフォルムに凝るけど、 その前に、素材とかテクスチャとかあるでしょ)鬼が現れる世の中で、噛まれると鬼になってし…

おそるべき少女たち

今週のジャンプ、「鬼滅の刃」は レトロな見せ場の作り方込みで好みです。 ジャンプには珍しくオシャレさんです。 (大体あの辺の作家はすぐフォルムに凝るけど、 その前に、素材とかテクスチャとかあるでしょ)鬼が現れる世の中で、噛まれると鬼になってし…

「津波からの生還」 編:「石巻かほく」編集局

まぎれもなく、被災者の声がここにある。 主婦の人もいれば、役所の人もいる。 食堂経営の人もいるし、漁師の人もいる。 レスキューの人もいる。みなひとしく被災者だ。これを読んでいる途中に九州の地震は起きた。 読んでいなければ「ひどいことが立て続い…

テックノロジーの進歩にはおったまげるねぇ。

3Dテレビはなんというか、こけおどしだった。 ペッパーもすごいと思ったけど、まだ何かを拡張する感じでもない。 人がそこにいればいいからね。 それに比べると ケータイ電話は明らかに劇的だった。 ケータイを基礎としたネットワーク文化も劇的だ。 大雑把…

第四の大陸:読了レビュー

地理学上の発展と、アメリカの発見、 そしてさらにキリスト教的世界の変遷をからめて 歴史の移り変わりを見る本。どれも興味深いのではあるけれど、 どれかひとつにしぼっても十分に面白いだろうに かえって欲求不満に感じるところもある。人によっては、未…

はじめに。

どうもこんにちわ。テツです。ブログをいろいろと作っているのは、 最近はPCを出すのが面倒でiPadでほとんどすべてすませてしまうのですけれども、 その時に、iPadで使いやすいブログがイマイチ定まらなかったのです。ただ、昔残ってたアカウントからはてな…