「財務3表一体理解法」著:国貞克則
財務3表とは「貸借対照表」「損益計算書」に加えて
「キャッシュフロー計算書」まで合わせた3つの会計書類のことだ。
本書はそれらの数字のつながりと
表の内容の意味をとても丁寧に教えてくれる。
自分としては食い足りない感じではあるけれど
人に説明する時にはこうした分かりやすい解説を下敷きにした方が
よいだろうと思う。
発生主義についての理解と
簿記の仕訳とB/S ,PLの結びつき
純資産について
このあたりが実際ネックになるだろうが、
ひとつひとつの取引を丁寧に追いながら解説するので
まともに読めばこれで分からない人はいないだろうくらいの丁寧さだと思う。
最後の方はちょっと発展系の話が入っていて
資本取引は実務でほとんどさわってこなかったので
この辺は読めてよかった。
(まとめ直されて、新版では発展の方に入ってそうだ)
会社がお金を集めてくる方法は3つしかありません。それは他人から借りるもの(負債)、株主から資本金として注入してもらうもの(純資産)、そして自分の会社が稼ぎ出すもの(収益)です。これが試算表の右側に表されています。この3つの方法で集めてきたお金が、すでに外部に支払われているもの(費用)と、何らかの形で会社の内部に残っているもの(資産)の2つに分類して表されているのが、試算表の左側なのです。(p.47)
これは複式簿記の形をそのまま説明しつつ、その結果として作られるB/SとPLの説明になっている。
原則としては分かりやすく、面白い仕組みだとおもう。
ただ、資産や費用、収益なんかも厳密に考えると境界的なものは多くて
そのせいで粉飾的なことも起こってしまうこともある。
そもそも会計書類は会社の姿を正しく表して把握するためのものであり
会社自身の利益追求のために必要だという観点を揺るがしてはいけない。
そのうえで会社自身の姿を正しく表そうとすれば
すべき処理の幅というのは大きくぶれることはないはず。
あ、これは関係ない独り言になってしまいましたね。