「消費大陸アジア」著:川端基夫
アジアと言っても様々な国がありそれぞれに流行り廃りがある。
本書はアジア各国へ進出した企業の成功と失敗の事例を見ながら
それをどのように捉えるかという視点を提供してくれる。
内容としては悪くないんだが、
少々、アカデミズム内の術語についての解説が
あまり発展的なかたちで展開されているとは思えないのが残念。
(正直、コンテクストかコンテキストかって
英語か仏語どっち経由で術語を持ってきたかくらいの違いでしょうよ。
英訳する時どうするつもりなんだ)
まぁでも事例自体はそれなりに多くて面白い。
しかしまぁ、持っていく相手国の研究の前に
日本で売れた時の文脈がどうなっているのかを確認して、
そこにおいて同じ強みが発揮できそうか確認というのが
一番最初の手順になるだろうなと思った。
売ろうとした時のとおりに売れることって多分半分くらいだからね。
消費大陸アジア: 巨大市場を読みとく (ちくま新書1277)
- 作者: 川端基夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2017/09/05
- メディア: 新書
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「ラマダン明けの渇きを癒す」という価値シーンの出現である。ポカリスエットの価格は他の飲料水よりも一.五倍余りするのであるが、それにもかかわらず飛ぶように売れ始めたのである。(p.35)
なかなかのパワーワードですが、
その前段階に「デング熱の脱水症状に効く」という
プロモーションで信頼を得たからこそだそうです。
「アジアではお好み焼きは難しい」という話を現地の外食産業の日本人から何度か聞いたことがある。(中略)まずお好み焼きは中身が見えにくい。(中略)その点ピザはトッピングが丸見えなので、安心感を与える。自分が好きなものがトッピングされているのか、宗教上食べてはいけないものがトッピングされているかどうかが、すぐに確認できる。(p.121)
ほー、なるほどね。